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室内を描くパースの醍醐味は部屋と隣室の関係や家屋構造の理解を示すことです。 室内を描く通常のパースは1部屋の内観で、3方の壁で囲まれた空間を部屋の片隅から捕らえる視界に限られます。それでも、部屋の全体を画角に収める時は、後ろの壁(観察者=ビュアーの背面に位置する壁)を取り払って、遠く離れた位置から、対象を写生することはよくあることです。しかし、不思議なことに、このように通常見えない空間をあたりまえのように見せるパースのトリックに私たちはあまり違和感を感じません。もちろん、稚拙なパースでありましたら、逆効果ですが。天井を取り払って、俯瞰して、部屋の間取りを確認したり、床の断面を見せて、床収納の様子を伝える絵は通常の視界では不可能なことなのです。写真に撮れないことなのです。しかし、そのような見えない場所を見て愉しむことが出来るのは、私たちの想像力がすでに求めていたもので、そのイメージを発見した歓びからだと思うのです。私はこの想像力を「期待する想像力」と呼びます。そのパースの“景観”(通常見れない場所)をぼんやりとイメージしながらも、正確な画像として見ることが出来ないもどかしさを感じている人はそのパースの“景観”に感動するはずです。今、ほとんどの人が「期待する想像力」を内に秘めて、設計図やパースを眺めているのではないでしょうか。 これからのパースは、「期待する想像力」にいかに応える事が出来るかのセンスや技術のスキルが問われることになるでしょう。 具体的な室内パースを事例にしましょう。 課題は吹き抜けの空間に階段がかかる場所で、1f(階下)と2f(階上)の雰囲気を伝えるパースです。 現実には天井やスラブ在りますから、見える視界は限られます。マーカーで色付けしたところの範囲が階下、または階上から見えるところです。 1.1fからの通常の視線高(h1500)で見ると階段だけが目立ちます。これでは階段を主に描くようなパースの印象になります。 2.2fの階段の下り口から、階下を見下ろす俯瞰ではこのような画角に成りますが、階段以外の部屋の雰囲気はまだ伝わりません。 3.課題にはこの視点から描くパースが正解だと思います。もちろん、吹き抜けの壁、天井、スラブを取り払って描くことに成りますが。 図面に忠実なパースと構造の理解を助けるパースの実例です。 課題:回り階段で結ぶ1fと2f A.が正確に見える画角 B.が視界を遮る壁を大胆に取り外した画角 さて、皆さんはどちらを選びますか。
by pers-ko
| 2008-03-05 18:10
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